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楽譜には何が書いてあるのか 2025.02.17

 今年になってからは、「平城山」とJMFで歌った「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の2曲を練習しています。短い曲ですが、練習を重ねるごとに新しい課題も生まれてきて、毎回ハーモニーが美しく深まっていくように感じています。

 2月3日は金沢先生、2月17日は箭内明日香先生のご指導でしたが、共通に指摘されているのが、歌う姿勢です。膝の上に置いた楽譜を見るために前かがみになるのではなく、背筋を伸ばして指揮者を見ながら歌うことが指摘されています。実は、昨年のミニコンサートのアンケートでも「楽譜とにらめっこの人がいた」という声もあり、このことは気になっていました。

 素朴な疑問として、「楽譜には何が書いてあるのか」というより皆さんは「楽譜の何を見ているのか」ということがありました。昨年のミニコンサートのチラシに、駅から会場の戸山生涯学習館までの略図を入れた時に、気がついたことがあります。楽譜は、音の高さと動き、音の長さ強弱、速さなどが書かれています。つまり、「地図」のようなものではないかと思ったのです。あくまで一般論ですが、女性は地図を見るのがあまり得意ではないという見方があるようです。大きなお店で、詳細な案内板の前で店員さんを探して売り場を尋ねる女性客と、案内係の真ん前で案内板とにらめっこしている男性客の対比を語る人もいます。そしてもうひとつ気づいたのが、地図だけではわかりにくい道順を、身体で覚えるためのトレーニングが、「移動ドのウォームアップ」ではないかということです。若松河田駅から戸山生涯学習館までは、いくつか道筋がありますが、曲がり角を間違うと袋小路になる道もあります。そんなことがないように、どのくらいの距離を歩いてどこで曲がれば目的地にたどりつくかを、歌って覚えるのが「移動ド」のウォームアップだと思いました。実際に、教本には「マッピング」という言葉も出てきます。

 それでは、なぜ皆さんは、楽譜とにらめっこをしているのか。その答えがわかったのが、JMFでした。女声だけの合唱で「見上げてごらん夜の星を」を歌った時、皆さんが背筋を伸ばし、まっすぐ前を向いてとっても素敵でした。実は、その視線の先には目の高さの壁に「歌詞」が貼ってあったのです。その時、私は確信しました。皆さんは楽譜を見ているようで、実は「歌詞」を見ていたのです。最近の練習では、皆さんの歌う姿勢が、背筋が伸びていい感じになっているように感じますが、「平城山」は歌詞が頭に入ってきたからではないかと思っています。

 楽譜をまったく見ないで丸暗記する必要はないと思いますが、楽譜を持つ両腕の肘を身体からちょっとだけ離して上にあげ、常に指揮者が見える状態で、眼だけ動かして楽譜や「歌詞」を確認するようになれば、歌声もハーモニーも格段に美しく深まっていくのではないかと期待しています。

 

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